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有名ファッションブランドのロゴデザインに隠れた意味やデザイナーの想い

  • 2016.05.16

  • ブランドに隠れた意味とは
    多くの人達に支持されるファッションブランドは、品質の良さはもちろんのこと、そのブランド力も大きな要素を含んでいます。支持されている有名ブランドの商品では、そのブランドロゴが入っていることで、需要は大きく伸びます。それだけロゴというものは企業にとって重要なものなのです。そんな有名ファッションブランドのロゴは、ブランドのイメージ・商品のイメージにマッチしたものでならないのはもちろん、見た目のカッコ良さなどの重要な要素でもあります。「このロゴが付いた商品を着たい!」という気持ちにさせるモノでなくては、売り上げにはつながりません。

    多くの有名ファッションブランドには古い歴史があり、同時に長きにわたってそのロゴも愛されてきたことになります。このような歴史あるファッションブランドのロゴデザインには、見た目のカッコ良さやインパクトの強さなどの他に、創始者達の思いや隠された意味が存在するのをご存知でしょうか。その隠れた意味を知ることで、より一層そのファッションブランドを好きになることでしょう。


    きっかけは偶然? CHANEL(シャネル)のロゴマーク

    高級ブランドとして多くの女性の憧れでもあるブランドが「CHANEL(シャネル)」です。

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    andersphoto / Shutterstock.com

    シャネルのロゴは、「C」の文字が左右対称に重なり合ったデザインをしています。このロゴのCは、創始者であるココ・シャネルの名前の頭文字をとって付けられています。

    CHANELの創始者はココ・シャネルですが、ココとは本名でないのをご存知でしょうか?本当の名前は「ガブリエル・ボヌール・シャネル」と言います。彼女は元々歌手の卵として活躍していましたが、その歌手になるきっかけとなったオーディションで歌った曲が「Ko Ko Ri Ko (ココリコ)」という曲でした。ココリコとは、フランス語で「コケコッコー」という意味で、ニワトリの鳴き声を表しています。

    シャネルの歌声は素晴らしく、それを聴いた青年将校たちから大喝采を受けアンコールまで起きるほどだったといいます。このことがきっかけとなり、シャネルは「ココ・シャネル」という愛称で呼ばれるようになったのです。

    シャネルのロゴデザインが生まれたきっかけは偶然で、若かりし日のココが「C」が書かれた紙を2枚手にした際、その1枚が偶然に裏返しになりCの文字が反転しました。それを見たココが、その2枚の紙を何気なく重ねたところ、Cの文字が左右対称に重なり合ったあのロゴが生まれたそうです。このロゴが生まれたことで、ココ・シャネルは歌手から自分の本来の夢であったファッションデザイナーの道へと転身していったのです。

    世界の女性の憧れでもあるCHANELのロゴには、情熱家でありながら自由奔放で自分の夢を実現させた、ココ・シャネルという一人の女性の生き様と歴史が隠されています。


    主人を待つ HERMES(エルメス)のロゴマーク

    同じフランスの高級ブランドであり、特にバッグが多くの女性の心を魅了しているのが「HERMES(エルメス)」です。

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    NYgraphic / Shutterstock.com

    エルメスのロゴは、馬車と馬、それに従者が描かれています。これは、エルメスが誕生した約180年前の1837年頃は、デュックと呼ばれる四輪馬車がパリでは流行の馬車形態でした。このデュックは、主人が自ら馬を操って馬車を走らせるもので、従者はいましたがその役割は主人のサポート役程度でした。

    エルメスは元々馬具工房として始まったため、ロゴのデザインには馬車がモチーフになっているのです。

    馬具の制作からはじまったブランド

    しかし、このロゴをよく見ると、何かが足りないような感じがしないでしょうか?そうです、描かれているのは従者のみで、馬を操るべき主人の姿が見当たりません。

    エルメスのロゴには、主人がいない

    ではなぜ、エルメスのロゴには馬車・馬・従者がいるのに、肝心な主人がいないのでしょうか?ここに、エルメスのロゴに込めた隠れたメッセージがあるのです。

    ロゴに描かれている馬車は「エルメスのブランドアイテム」を示し、従者は「それを作り出す職人」を示しています。そして、そこに描かれていない主人は「エルメスを愛するユーザー」を示しているのです。つまり、このロゴには、「エルメスは最高の品質を持った馬車を提供しますが、それを扱うのはお客様ご自身です」という意味が込められています。

    この意味に、エルメスの商品への絶対的自信がうかがえます。確かに、エルメスの商品は、どのユーザーが持っても違和感なくマッチしていることが多く、ロゴの意味をしっかり示した質の良さが支持されている理由の一つでもあります。


    日本の「家紋」に影響を受けた?ルイ・ヴィトンのロゴ

    ルイヴィトンのロゴTungCheung / Shutterstock.com

    言わずと知れたバッグの高級有名ブランド、ルイ・ヴィトン ( LOUIS VUITTON )。その歴史のはじまりは、160年ほど前に遡ります。フランスのパリに、スーツケース職人であった創始者ルイ・ヴィトンが旅行用鞄店を世界ではじめて創業しました。後に開かれた万国博覧会で銅メダルを受賞し、世界的な評価を得ることとなります。王侯貴族にも愛されるようになったルイ・ヴィトンは人気を博しますが、これを追いかけるようにして模倣品が出回りルイを悩ませます。

    ちょうどこの頃、アートやファッションの分野で、あるブームが注目を集め始めていました。「ジャポニズム」です。何度か開催されていた万国博覧会で、日本の工芸品などが紹介され、その技術やディテールがあらゆる分野に大きく影響を与えたといわれています。1880年代に入り息子のジョルジュの代に移った頃、ベージュと茶褐色のチェス盤柄にブランド名が入った「ダミエ・ライン」が誕生します。このダミエ・ライン、チェス盤様の模様は実は日本の市松模様に影響を受けたのではと言われています。

    ダミエライン
    Jeramey Lende / Shutterstock.com

    ダミエ・ラインは万国博覧会で金賞を受賞しますが、またも模倣品が出回ります。それら模倣品を払拭するため、1896年、ジョルジュは新たなトレードマークとなる布地「モノグラム・ライン」を世に送り出しました。パリでの万国博覧会において、薩摩藩や徳川家の家紋を目にして感銘を受けたジョルジュが、様々な模様とイニシャル「LV」のモノグラムを散りばめた世界的に有名なあの柄を誕生させたと言われています。この模様、具体的にどの家紋がモデルになっているかは言及されていませんが、「LV」は上下組み合い山形に、手裏剣のようなマークは寄せ四つ葉、花柄様のマークは抜き四つ星と、似たイメージの家紋は確かに存在しています。

    そうして生まれた「ダミエ・ライン」や「モノグラム・ライン」は現在でも世界中で愛され、近年は日本人アーティスト村上 隆氏とのコラボレーションも話題になりました。現行のルイ・ヴィトンのロゴは、「LV」のモノグラムとロゴタイプで構成されています。前述したように家紋に多大な影響を受けたと言われていますが、「LV」のモノグラムには、家紋の影響だけではない計算された幾何学的な美しさもあります。正体で書かれた「V」に対し、「V」の角度に合わせ微妙に斜体がかった「L」。おおよそ2:1の割合で線分を重ねる2つの文字は、美しくバランスがとられており安定した重心を保っています。斜体をかけることでセリフ体の飾り部分が実に優美なカーブを描き、その品質にふさわしい高級感を漂わせています。

    ルイヴィトンのロゴタイプ

    Vladislav Gajic / Shutterstock.com

    ロゴタイプはFuturaを採用しています。モノグラムとは対照的に、機能性と信頼を約束するシンプルでモダンな印象を与えています。


    イニシャルをはじめてデザインに取り入れたブランド、グッチ

    グッチのロゴデザインSorbis / Shutterstock.com

    1921年、グッチ( GUCCI )は皮革製品ブランドとしてイタリアに誕生しました。創業者のグッチオ・グッチは好奇心旺盛で革新的な経営者であったと語り継がれています。第二次大戦中、皮革が統制品となったことから、バッグの持ち手を竹で代用したバンブーシリーズ、馬具からインスピレーションを受け作られたシェリーライン、そして60年代に世界ではじめて製品デザインにイニシャルを採用したGGマーク。それらの斬新なアイデアと上質な製品づくりが評判を呼び、当時のシネマスターらをも魅了するラグジュアリーブランドとなりました。

    そんなグッチのロゴデザインとして知られているのが「GG」のシンボルマーク。「GG」はバッグや財布などの生地の柄、またそれらのバックルなどに用いられ個性的なデザインのワンポイントとしても活躍してきました。ほぼ真円のフォルムを成す「G」を2つ内向きに重ねたデザインは、シンプルでありながら力強さや繋がりを感じるダイナミックなシンボルマークです。そのシンボルと並んでブランドをあらわしているのが「GUCCI」のロゴタイプ。

    グッチのロゴタイプTungCheung / Shutterstock.com

    線の太さに強弱をつけ過ぎず、しなやかなラインが美しいOptimaという書体を使用しています。女性向けの雑誌や化粧品等で使用されることが多く、モダンでありながら上品さを併せ持つファッショナブルな書体です。


    セレブリティに愛される権威あるファッションブランド、アルマーニ

    ジョルジオアルマーニのロゴデザインTungCheung / Shutterstock.com

    モード界の帝王とも呼ばれるジョルジオ・アルマーニ氏。そのものづくりに懸けるスタンスは完璧と称され、多くのセレブリティたちに愛される「本物」を語るに値するブランドと言われています。彼は大変映画が好きで、度々撮影衣装を担当したことから、ハリウッドにも多くのファンや顧客を有していることも他のブランドと一線を画す理由の一つとなっています。

    そんなアルマーニのハイラインは彼の名をそのまま冠した「ジョルジオ・アルマーニ」(GIORGIO ARMANI )。ロゴタイプのみで構成されるロゴデザインは、Didotというフォントを基にアレンジされた書体でできています。

    Didot自体、線の太さがはっきりしていて、極細と極太が同居する非常にグラマラスな書体です。故に、ファッション界、特にモードの舞台で活躍しており、代表的なところではファッション誌「VOGUE」が有名です。アルマーニのロゴは、Didotのメリハリを少々抑え目にし、女性らしさにセーブをかけたような印象で、その代わりにトラディショナルでジェントルなイメージが強くなっています。

     

    エンポリオアルマーニのロゴデザイン

    TungCheung / Shutterstock.com

    そして「イーグル」のシンボルデザインで知られているセカンドラインに「エンポリオ・アルマーニ」(EMPORIO ARMANI ) があります。なぜイーグルなのか正式な由来については発表されていませんが、アルマーニの中でも若い世代に向けられたブランドであることから、未来への飛躍やアグレッシブに挑戦していく姿勢などが理由に考えられるのではないでしょうか。イーグルの表現方法に極太のラインを使っていることも、スポーティーな印象を与え「若さ」と「エネルギー」を体現しているといえるでしょう。


    伝説のクチュリエ、クリスチャン・ディオールのロゴデザイン

    ディオールのロゴデザイン

    Sorbis / Shutterstock.com

    1950年代、「ニュールック」というワードでモード界を席巻したクリスチャン・ディオール (Christian Dior )。世の女性たちに新たなフォルムを与え、現代のファッションへ多大な影響を及ぼしたブランドです。現在では、レディスファッションのほか、メンズファッションや服飾品、化粧品。香水、食器など幅広く展開し、クチュリエの中ではじめてライセンス事業に乗り出したブランドでもあります。

    クリスチャン・ディオールのロゴデザインは、当初「Christian Dior」と表記されていましたが、90年代に入りジョン・ガリアーノ指揮の下、「Dior」のみの表記になりました。

    Nicolas Cochin(ニコラ・コシャン)というセリフフォントをベースにデザインされており、頭文字「D」を数ポイント大きめに設定し、カーニングを調整したまとまりのある美しいロゴタイプに仕上げています。ファッションにおいても「ライン」の美しさにこだわったブランドらしく、無駄なく洗練された文字のプロポーションが際立つ気品溢れるロゴデザインです。


    近年ロゴデザインを刷新した、ロイヤルブランド「ロエベ」

    ロエベのロゴデザイン

    TK Kurikawa / Shutterstock.com ※写真は旧ロゴです

    スペインの王室御用達ブランド「ロエベ」( LOEWE )は、1846年マドリードにある皮革製品の工房からはじまりました。卓越した技術と上質な素材でスペインの人々を魅了し、皇室に認められるまでになります。それからも世界的に有名な建築家がブティックの建築を手がけるなどし、モダンで先鋭的なポジションで世界的に注目を集めていきました。

    そして、1970年、4つの「L」を組み合わせたロエベのアイデンティティとなるロゴデザインが登場します。「L」の文字を万華鏡で覗いたように反転を繰り返すような独自の模様はブランドのアイコンとして長年に渡り愛されてきました。

    そのアイコンが2014年、45年という時を経て、新体制のもと生まれ変わりました。( 新ロゴはこちら ) モチーフはそのままに、よりシンプルにモダンにリファインされた新デザインは、時間の経過によってラグジュアリーから華美に移り変わっていた部分をそぎ落とし、これから先も末永く愛されていくようなより普遍的なデザインへと変化を遂げました。華奢で繊細さを感じさせた伝統的とも言えるセリフ体のロゴタイプは、ハンドメイド感を残したぬくもりを感じるタイニーセリフ体へと変わり、時代が求める形へとやさしくシフトしました。

    このような老舗ブランドの大胆なイメージチェンジは大変珍しく、簡単にできることではありません。そうした常識に縛られない未来を見据えた柔軟な対応力が、この先生き残っていくブランドの条件の一つなのかもしれません。


    美しい白鳥が印象的なスワロフスキーのロゴマーク

    スワロフスキーのロゴデザイン

    360b / Shutterstock.com

    ブリリアントなクリスタルカットで知られるスワロフスキー( Swarovski )は、「誰もが手にすることが出来るダイアモンド」をビジョンに、ガラス職人の息子であったダニエル・スワロフスキーが開発したクリスタルカット技術からはじまりました。これまで手仕事で行われてきたジュエリーカットをマシーンで行えるよう開発したことで、以前に比べ約1万倍の速さで製造することが可能になったといいます。そして、1895年にスワロフスキー社が設立され、その精彩な輝き、多種多様なサイズ・カラーなどがファッション界のニーズと合致し、瞬く間に世界へと広がっていきました。

    スワロフスキーといえば、優雅な白鳥のシンボルマークが有名です。白鳥のもつ透明感のある美しさと、「swan」「swarovski」とフレーズが似ていることもあり、シンボルとしてしっくりくるという印象です。白鳥の羽の部分が徐々に背景に溶け込んでいくようなあしらいが、より一層透き通るようなイメージを掻き立て、クリスタルのもつ目映い輝きとそのイメージを繋げていきます。

    スワロフスキーのロゴタイプ

    pio3 / Shutterstock.com

    ロゴタイプはNovareseというセリフフォントをベースに作られています。女性的で繊細なフォルムを持つこのフォントはシンボルマークとも相性が良く、白鳥の首のラインと「S」を描くカーブが調和を一層強めています。スワロフスキーのようなジュエリーブランドは、特に女性へ向けたアイデンティティの発信が重要になってきます。しなやかでありながらどことなく凛とした印象を感じさせるスワロフスキーのロゴデザインは、現代の女性にぴったりのビジュアル・アイデンティティと言えるのではないでしょうか。


    私達の身の回りは多くのロゴデザインで溢れています。特にファッションブランドのロゴにおいては、偽物が出回るほどユーザーにとっては魅力あるものなのです。その商品を持つことがステータスとなり、そのために一生懸命働いているという人もいる程です。

    自分の好きなブランドのロゴの意味を知ればもっと好きになる?

    自分の支持するファッションブランドを知る上で、その歴史と共にロゴの持つ意味も調べてみると、今まで全く知らなかったことが分かるかもしれません。そうした意味を知ることで、より一層そのブランドを愛することができることでしょう。


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