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ロゴの成り立ちを要素からひも解く10パターン

  • 2016.11.11

  • ロゴデザインは、もちろん全体でひとつのものですし、その全体がツールとしての意味を持ちうるものです。そして、全体をひとつひとつの要素ごとに区切って見てみたとき、ロゴ全体がどういう構造になっているかがよく分かる場合があります。

    ここでは、シンプルなのに印象に残るロゴを10パターン用意して、ひとつのロゴがどういう成り立ちになっているのか、ロゴを構成している要素ごとに見てみることでひも解いてみたいと思います。以前も紹介させていただいた、アートディレクターのDimitrije Mikovicさんの作成したロゴマークをご紹介します。※記事掲載はデザイナーに許諾を得ています。(Thank you Dimitrije !!) 


    体が名を表す!シンボルマークが象徴的なロゴ

    オーディオのロゴマーク

    一口にロゴといっても様々なパターンがありますが、基本的な構成要素として「シンボルマーク」と「ロゴタイプ」があります。それら構成要素すべてを含めて「ロゴ」や「ロゴマーク」と呼ぶのが一般的です。

    ロゴタイプはいわゆる「デザインされた文字列」で、ブランド名などを表記するものです。シンボルマークはそのブランドのコンセプトや内容などをわかりやすく象徴的に表現したマークのこと。例えばアップルのリンゴマークなどは代表例ですね。ロゴタイプに比べて視覚的に覚えてもらいやすいという特徴があります。

    音楽スタジオのこのロゴ制作例では、シンボルマークとロゴタイプを組み合わせた構成になっています。左側がシンボルマーク、右側がロゴタイプになります。波形を描いたシンボルマークは、このブランドが音楽スタジオであることをよく表していますよね。このブランドが何を扱っているのか、どういう内容のものなのか、視覚的にわかりやすく表現されています。シンボルマークの右側に配置されているのがロゴタイプ。ここではブランド名をシンプルに表現しています。

    ロゴタイプに比べてシンボルマークが上下に飛び出ているのは、その方が波形のダイナミックな動きがより強調されるからでしょう。こうしたひとつひとつのバランスの取り方が、ロゴ全体のクオリティに大きく影響してきます。

     

    電子産業のロゴマーク

    シンボルマークとロゴタイプを横に並べた構成を持つロゴをもうひとつ。電子産業の企業ロゴです。こちらのシンボルマークも一目見ただけで電気を扱うブランドだということが分かりますよね。ロゴタイプが斜めになっているのとあわせて、電子が動いているところをイメージしているのだと思います。

    こちらのロゴタイプは小文字で表現されていますよね。日本でも小文字のみで表現する企業も増えていますし、ドコモのように、かつては大文字だったロゴタイプから小文字のものに変更する企業もあります。大文字より小文字のほうが親しみやすい印象を与えるからかも知れませんね。


    高級時計ブランドのロゴ

    時計ブランドのロゴマーク

    時計ブランドのロゴで、シンボルマークとロゴタイプを上下に組み合わせたパターンです。シンボルマークとロゴタイプを上下に並べる組み合わせは、時計ブランドだと例えばロレックスなどがそうですよね。他にもオーデマ ピゲやヴァシュロン・コンスタンタンなどの高級ブランドも、同じ組み合わせのパターンを使用しています。

    時計のブランドなので、ロゴを単色(ブラック一色など)で使う場合も想定していると思います。文字盤の上にロゴを入れる場合、ただ単に文字を打つのではなく、例えばエンボス加工によって文字が浮き出るような想定もイメージしている可能性もありますよね。いずれにせよ、単色でもカッコよくみえるというのは、いいロゴの条件のひとつだと思います。

    ちなみに「debonair」とは、「明るくて愛想がいい」や「スマートで親切」などの意味なんだそう。スマートで優雅な中に、礼儀正しく、かつ正確に時を刻む高級時計にぴったりのネーミングだと思います。シンボルマークは盾をイメージしたものでしょうか。ブランド名の「T」と「D」をうまく織り込んでいますよね。時計と盾の関係性はよく分かりませんが、タグホイヤーやチュードルなども盾イメージのシンボルマークを使用しています。

    色彩は黒一色の背景にシンボルマークを落ち着いたゴールド、ロゴタイプをホワイトで配色しています。一目見ただけで高級感が伝わってくる配色ですね。さらに、ロゴタイプに若干ですが太めのものを使っており、高級な中にも力強いイメージが加えられています。


    ブランドイメージの背景色が印象的なロゴ

    ハチミツブランドのロゴマーク

    ややオレンジがかった鮮やかな黄色をバックにして、優雅に羽根をはばたかせるハチのシルエットが印象的なロゴ。ハチのシンボルマークが示す通り、ハチミツショップのロゴになります。

    一般的にシンボルマークの役割は、企業の理念や事業内容などを象徴的・端的に表現したものといえます。ここでは特に事業内容という部分で「何をやっているブランドなのか」がはっきりと示されています。風格すら感じさせる優雅な立ち姿は、女王蜂なのだろうと想像させられます。くるりと一回転した羽根で、羽ばたきの動きをユーモラスに表現していますね。

    また、羽ばたく羽根は上方への動きをイメージさせられます。ブランドの知名度や業績のアップなど、明るい未来へのイメージも重ね合わせているのかも知れません。ロゴの構成としては上にシンボルマーク、その下にロゴタイプとなっています。シンボルマークが上への動きのイメージを持っていることもありますが、この形が基本的にバランスがいいんですね。

    ブランド名の下に小さめのフォントでもう一行あります。ここにはブランド名とともにもうひとつ、ブランドとしての大事な理念やポリシーなどを入れていることが多いです。例えばHONDAの「The Power of Dreams」のように文章として入れている場合もありますし、特定の国名や地名などを入れているものもありますよね。ここでは創業年をいれているようです。

    印象的なシンボルマークに加え、もうひとつブランドのイメージをよく表現しているのが背景の黄色ですよね。ややオレンジがかっているところが、濃厚で上質なハチミツのイメージとうまくマッチしています。ロゴをブラック1色にすることで背景色と対比させ、視認性を高めているのもポイント。黄色と黒の組み合わせは、もっとも視認性が高い色の組み合わせのひとつです。


    シンボルマークがユニークなフォトグラファーのロゴ

    フォトグラファーのロゴマーク

    ロゴをデザインするにあたって、制作のポイントはいくつかあります。その中でも常にデザイナーが頭を悩ませるのが、「ロゴにユニークな形やレイアウトを取り入れる」という点ではないでしょうか。そういう意味で、このロゴのシンボルマークはよくできていると感心してしまいます。まさにユニークという感じがしますよね!

    これはフォトグラファーのロゴで、構成としてはロゴの左側がシンボルマーク、その右にロゴタイプ。シンボルマークは一目見て、日本を代表する猫型ロボットマンガの、あの空飛ぶアイテムを連想してしまいます(笑)ブランド名からして、シャッターチャンスに対してどの場所にでも飛んでいく、というイメージがありありと想起されますよね。さらに、カメラのボディをピントの形にしているとろがすごくユニーク。カメラの技術もさることながら、被写体の事象に関してもピンポイントであることをアピールしているように思えます。

    色彩は暗めのグレー1色で配色されています。撮った写真のクレジットとしてロゴが使われることも多いでしょうから、作品に比してロゴが目立ちすぎないための配慮なのかも知れません。その意味ではロゴの形が一直線のイメージで構成されていることも、クレジットの表記方法として適しているということが理由なのかも知れません。かっちりとした構成の中にユニークさを盛り込んだ、おもしろいロゴだと思います。

     

    フォトグラファーのロゴマーク

    フォトグラファーのロゴをもうひとつ

    被写体に対して飛んでいくという発想は前出のロゴと同じですが、前出のシンボルマークが上下の動きをイメージしているのに対して、こちらは後ろから前、奥から手前への動きをイメージしていますよ。上にシンボルマーク、下にロゴタイプで中央揃えという構成も、この動きのイメージと関連していると思います。ロゴタイプがシンボルマークと同じ幅で表現されているなど、こちらもきっちりとした構成の中にユニークな部分が入っていますね。


    アラベスク調のシンボルマークが印象的な飲食店のロゴ

    レストランのロゴマーク

    飲食店のロゴです。レストラン・ラウンジ・バーとありますが、おそらくレストランがメインなのでしょう。ロゴの構成として上がシンボルマーク、下が3行のロゴタイプ。上のシンボルマークは中東で有名なシーシャ(水タバコ)だと思いますが、とても印象的で目を引きますよね。

    シンボルマーク全体をアラベスク調で表現することで、秩序だった美しさが引き立てられています。レストランがもつ華やかさと、整然とした高級感がうまく表現されていますよね。ひょっとしたらシーシャの部分は、オイルランプや花を生ける花瓶も重ねてイメージしているのかも知れませんね。上下のバランスとして、上のシンボルマークが大きめでどっしりと存在感があります。

    下のロゴタイプを3行にして、文字間をやや広めにとってあります。ゆったりとした空間の雰囲気が醸し出されているようです。3行にしたロゴタイプですが、キレイに三角の形に整えてあります。見ようによっては、上のシーシャを支えるテーブルのようにも見えますよね。色彩も高級感を意識した色使いだと思います。ベージュの背景に、鮮やかさを抑えたゴールドの2色。同系色のトーン・オン・トーンでまとめ、色数を抑えることでレストランのイメージを端的に伝えることに成功していると思います。ロゴをみるだけでゆったりとした落ち着いた雰囲気とおしゃれなイメージが感じられて、ついつい訪れてみたくなりますね!


    視覚効果をうまく利用した設計事務所のロゴ

    設計事務所のロゴ

    一目見ただけですごく印象に残るシンボルマークですね!アーキテクチュアルスタジオということで、建築の設計事務所のロゴです。これも上にシンボルマーク、下にロゴタイプの組み合わせになります。

    やはり目が行くのは上のシンボルマークの部分。立体的に『A』の文字が浮き上がっています!これはインパクト大ですよね。横のラインと斜めのラインを組み合わせ、視覚効果を上手に使って表現しています。視覚効果、わかりやすく言えば「目の錯覚」ですが、デザイナーとしては注意して使わないと、意図しないところで効果が出てきてしまうこともありますが、このシンボルマークはうまく視覚調整が行われています。

    この見事な視覚効果を使ったのは、もちろん建築の設計事務所のロゴデザインだからでしょう。いかに綿密な設計ができるか、そのイメージの表現として大きな効果をもたらしていると思います。ロゴタイプはブランド名と、その下に2行、小さめの文字が配置されています。上のシンボルマークが正方形でやや圧迫感があるので、小さめの文字2行でバランスを取っています。

    フォントの種類はおそらく「Futura」。海外のフォントですが、とても有名な書体です。親しみがありつつ幾何学的でもあるので、建築の設計事務所のロゴとしてはぴたりとハマっていると思います。黒一色のロゴは視認性が高く、遠くから見た場合や、ロゴを小さく表現した場合でもハッキリ見えるという特徴があります。


    伝統のライオンが信用と信頼を表現したロゴ

    保険会社のロゴ

    信用と信頼が第一の保険業のロゴです。上にライオンをイメージしたシンボルマーク、下はロゴタイプというパターン。目を引くのはやはりエンブレム風のシンボルマークですね。ブランド名をそのまま表しているが如く、何かを力強く受け止めているように見えます。まさに「ブロック」!

    ただこれは紋章学でいうところの、「ランパント」という、伝統的な型を踏襲したものと理解したほうがよさそうです。それにしても、本当にブランド名とよくマッチしています。ライオンをモチーフにしたシンボルマークは自動車メーカーのブジョーが有名です。他にもサッカーのイングランド・プレミアリーグはロゴにライオンを使用しています。

    百獣の王・ライオンは、伝統的に勇気や力、王権などの象徴として描かれてきました。その絶対的な力や安定感が、ゆるぎない信頼の証としてのイメージを表現し得る。それが、シンボルマークにライオンが選ばれた理由なのでしょう。配色を見ていくと、やや緑がかった深い青色の背景に、高貴な印象のゴールドとホワイト。色彩のイメージとしては対比にポイントを置いているようです。補色の関係に近い青とゴールドは、色相差だけでなくトーンの差も大きく、とても視認性の高いものになっています。

    また、緑がかった深い青色には落ち着いた印象を与える効果があり、それもブランドのイメージ醸成に一役買っていると思います。ただ、ひとつ分からないのがロゴタイプの下段、「insurance advisors」の下にある横のライン。この短いラインにどういう意味が込められているのか…視覚的な安定を図っているのでしょうか。奥深い世界ですよね、ロゴって。


    デザイン化されたロゴタイプのみで構成されたロゴ

    アパレルのロゴマーク

    これまでは全て、シンボルマーク+ロゴタイプという組み合わせで構成されたものでしたが、このロゴはデザイン化されたロゴタイプのみで構成されています。

    シンボルマークを使わずロゴタイプのみでロゴを構成する理由のひとつは、そのほうがシンプルになるからでしょう。ロゴは、絶対に必要な要素以外は入れないのが基本。例えばロゴを使用するスペースが限られている場合など、シンボルマークがあったほうが、伝えるべき情報が伝わりにくくなることもあるということです。

    ブランド名をしっかりおぼえてもらいたい場合や、ブランドとしてのマーケティングを考えている場合などは、ロゴタイプのみのロゴが力を発揮しやすいですよね。DIESEL、ZARA、STUSSYにH&Mなどの海外ブランドはもちろん、日本でもユニクロや無印良品など、デザイン化されたロゴタイプのみで構成されたロゴは枚挙に暇がありません。

    このロゴはファッションブランドのものです。力強く太めのフォントを使用していますが、小文字であることとふくらみ気味な丸みが印象的で、親しみやすい仕上がりになっていますよね。「u」と「m」を繋げて1本直線を減らすことで、丸みの印象をさらに後押ししています。長方形のガイドの中にきっちり収まる構成ですが、フォントの丸みがリズムを生み出していて心地いいですよね。色彩はやや緑がかった濃い青色のバックに、カッパーに近いゴールドの2色。落ち着いた印象で、視認性を高めた印象ですね。


    動きのある太めの筆記体がとてもキュートなロゴ

    ゴルフブランドのロゴ

    動きがあってすごくキュートなロゴですよね!引き続き、ロゴタイプのみで構成されたロゴになります。ただ、こちらはブランド名の下に小さいフォントで2行、その下にワンポイントで国旗を表すマークを入れています。ゴルフ用品のブランドですが、ゴルフボールに特化しているのかも知れません。

    小さく配置されたフォントの部分、ボールとゴルフをわざわざ2行に分けているところに、そのこだわりが感じられるようです。斜めに傾けられたロゴタイプは躍動感にあふれています。くるくるとした曲線が、まるで起伏に富んだゴルフコースのようで、見ているだけで冒険心がくすぐられるようです。国旗のマークからしてイタリアのブランドですが、ラテンの気質が垣間見えるようでもありますよね。ここで使われているフォントは太字の筆記体ですが、筆記体のフォントは万年筆や羽根ペンで描かれたような細めのものが比較的多いもの。太めの筆記体はそれだけで印象に残りやすく、見出しやタイトル、スポーツチームのロゴなどにもよく使われています。

    太さに強弱がなくリズムが一定で力みが抜けていることと、くるりとした丸みが特徴的で、リズミカルでキュートな感じが強調されています。白一色の背景にロゴタイプはブラック。国旗のカラーである赤と緑が印象的です。ロゴのほとんどの面積が無彩色で占められているのにもかかわらず、全体が鮮やかな印象をもたらす配色ですね。


    ブランド名も不要!必要な要素を厳選したロゴ

    シャンプーのロゴマーク

    ロゴタイプのみで構成されたロゴを2つ紹介しました。ロゴの基本として、絶対に必要な要素以外は入れないというのが原則なわけなんですが、このロゴはなんと、ブランド名が入っていません。

    構成としては上にシンボルマーク、下にロゴタイプです。そのロゴタイプ、これまではブランド名が目立つように入っているものばかりでしたが、ここではキャッチコピーが一行入っているのみですね。はっきりとブランド名を表示するより、そのほうが伝わるとの判断でしょう。ある意味、限界まで削ぎ落とされていますよね。

    実際何のブランドかというと、オーガニックシャンプーです。キャッチコピーの意味から、自然素材にこだわったブランドであることが分かります。手書き風にアレンジされた木のシンボルマークからもそれがよく伝わってきますよね。暗めのグレーに、ゴールドを思わせるような明るめのブラウン。普通、自然や植物をイメージしたものをテーマにした場合、イメージする配色は白ベースにグリーンなどですよね。

    おそらくですが、ここでは夜をイメージしているのではないかと思います。夜から明け方に向かう時間の経過とその中で闇に輝く一本の木が、力強い自然の生命力として描かれているのではないでしょうか。勢いよく生い茂った葉の数々がそれを強調していますよね。


    ロゴにはひとつひとつの要素に強い想いが込められています。そうした強い想いに応えられるようなデザインをしていきたいですよね。

     

    Designer : Dimitrije Mikovic (Belgrade)

    ・この記事は制作者に許諾を得て掲載しています。


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