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オオカミを使ったプロスポーツチームのロゴ作成例 -#597
オオカミは群れで暮らし、獲物に向かうときにも組織的な動きをします。また、家族や仲間を大切にするとも言われています。ですから、チームプレイが重要なスポーツのロゴとして適したモチーフのひとつであることは間違いないでしょう。
北極星に遠吠えするオオカミを描いたバスケットボールチームのロゴ
全米プロバスケットボール協会(NBA)のミネソタ・ティンバーウルブズのロゴマークです。「timber wolf」(ティンバーウルフ=シンリンオオカミ)は五大湖周辺、特にミネソタ州に多く棲息しています。2016年まで使われていたロゴでは、森林をバックにオオカミは正面を向いていました。 2017年にリニューアルされた新しいロゴでは空に向かって遠吠えをしています。チームの持つ前進する力の象徴です。背景はバスケットボールですが、そこにグリーンの北極星が埋め込まれています。ミネソタ州はカナダと国境を接する北中部の州で「北極星の州」と呼ばれていて、ミネソタの人々のプライドを表すためにロゴに入れられました。勇猛さの表現としてオオカミの目はグリーンになっています。また、グリーンはミネソタの自然の象徴でもあり、春に草木が芽吹くようにチームの新時代が始まることも意味しています。
フロリダの新しい室内サッカープロチームのロゴ
米国のインドアサッカーのプロリーグMASL(メジャーアリーナサッカーリーグ)に所属しているフロリダ州のチームのロゴです。オーランド・シーウルブズは2018年に設立したばかりで、チーム名はコンテストで選ばれました。水しぶきを跳ね上げながら海から現れる伝説上の動物「seawolf」(シーウルフ=海のオオカミ)が描かれています。このロゴでも瞳が省略されていて勇猛さを表現しています。フロリダ州は「太陽の州」と呼ばれていますが、それがサッカーボールの黄色い縁取りの理由でしょう。米国にはフットサルのプロリーグ(NLPF)などインドアサッカーリーグが他にもいくつか存在しているようです。
屋内ラクロスのプロチームのロゴデザイン
北米だけで競技がおこなわれているボックスラクロス(屋内ラクロス)のプロリーグに属するニューイングランド・ブラックウルブズのチームロゴです。遠吠えをする黒オオカミのシルエットが黒とオレンジで描かれています。ロゴの右端には競技で使用するスティックが添えられています。ラクロスという競技の起源は北米の先住民族の儀式です。コネティカット州をベースとするブラックウルブズは先住民族モヒガン族(モヒカン族とは別)がチームの共同オーナーなのですが、モヒガン族が自分たちを「オオカミの人々」と称していた歴史がロゴのコンセプトに影響しています。
オオカミが描かれているプロスポーツチームのロゴを3点紹介しました。それぞれにオオカミが起用された特別な理由があることがわかります。デザイン面の特徴としては、いずれのロゴもグラデーションが使われていません。彩度の低い色とアクセントカラーの組み合わせ、という点も共通です。切り絵のようなタッチで描き、極太のボーダーで囲むことでスポーツチームのロゴらしさが演出されています。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のロゴデザインやブランディング事例をピックアップして紹介しています。企業ロゴ・ブランドロゴなどの用途は問わず、荒削りでも着眼点やアイデアが面白いものはピックアップしています。
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